＊今日は旧暦10月１日、新月です。
メルマガバックナンバーをお届けいたします。
工房に皆様をお迎えする気持ちで書いています。
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2022年9月２9日号より「タコ捕り」について
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てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ！Vol,20
こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。
今日は旧暦9月1日、新月です。
台風も過ぎ、雨が空気を洗い流して
清々しい今朝でした。
沖縄の強い日差しも和らぎ、
心地よい季節となりました。
今回は「タコ捕り」についてです。
旧暦９月７日は「カジマヤー」。
９７歳の長寿を祝うパレードが
集落を上げて行われます。
９７歳の主人公がカジマヤー（風車）を持って童心に返り
お花等で飾ったオープンカーで練り歩きます。
（命のお祝いは素敵ですね）
このカジマヤーの季節、
私たちの工房のあるうるま市、
隣の沖縄市泡瀬では
手のひら位の大きさのタコを捕る漁の時期です。
マダライモガイという貝５~６個を
一定の間隔を空けてつなぎ、
はしっこはカウボーイの投げ輪のように
輪にして持ちます。
足首ぐらいに潮の引いた浜で
２～３ｍ先にポチャンと投げて
手繰り寄せると、、、
不思議なことにどこからともなく
タコが現れて貝にしがみつきます。
このタコを軍手をはめた手で掴み取る、という楽しい漁です。
多い人は一回で１００匹くらいも捕り、
ゆでて食べると柔らかくておいしいタコです。
最初は釣り具屋さんで購入した道具、バケツを持って
出かけました。
見知らぬおじさんから
「あんたそれ、釣具屋で買ったでしょ。それじゃあ捕れんよ」
「バケツからタコは逃げていくよ（笑）」。
確かに一匹もとれませんでした。
一念発起して貝を集め、
捕ったことのある人に教えを乞うて
仕掛けも作りました。
捕ったタコを入れるのは
洗濯ネットを改良してエプロン状にしたもの。
原始的な漁ですが、
タコとの知恵比べが非常に楽しいです。
見つけた！と思って手がつい止まると
感づいてサーっと逃げていきます。
でも落ち着いて行き先を見極めて
近くの岩の下を探すと捕まえることができます。
タコもさるもの。
墨をはいて目をくらませたり、
脚を自切して逃げて行ったり、
中には人間に見つかったと思うと
砂の色に身を変える者もいます。
一度だけ出会った光景ですが、
２匹のタコが手をつないで泳いでいました。
それはそれは可愛かったです。
タコを捕っている方はおしゃべり好きな方が多い気がします。
ある寒い日に見かけた方は
「寒くないですか？」と声をかけると
「寒いよっっ！！」
そして「ちょっと聞いてくれる？」と話してくれました。
昔はカジマヤーのころしか捕らなかったのに
近頃はシーズン前に捕る人や
針の付いたエギで根こそぎ捕ってしまう人がいること。
昔平安座島と浜比嘉島の間にある１００個あまりの岩には
それぞれ細かく名前がついていたこと。
付ける貝にもその年その年でタコの流行りがあり、
毎年工夫していること。
砂浜を裸足で歩くのが自分の健康法で毎日歩いていること。
等々ユーモアを交えながら話してくれました。
思わず昔の海が目に浮かびました。
海に抱かれて、夢中になって、
漁をするのは昔も今も楽しいもの。
今年も行ってみたいと思っています。
＊今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを
ご購読いただきありがとうございます。
今日も良い日となりますように。
編集後記 季節の折り返し地点となりました。
秋の実りのように少しずつ楽器が仕上がりはじめ、
お待たせしていた方々の元へお届けしています。
ご先祖様に手を合わせながら、
まだお会いしたことのない多くの方々に支えられて、
楽器を作り続けることができるのは
本当に幸せで有難いことだと感じたお彼岸の日でした。
いつもありがとうございます。（のり子）
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