メルマガVol.24てるる詩の木(うたのき)工房便り

*今日は2023年2月20日、今日は旧暦2月1日、新月です。

 

メルマガバックナンバーをお届けいたします。

 工房に皆様をお迎えする気持ちで書いています。

 

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2023年1月22日(旧暦1月1日)号より「帰るおうち」について

 

こんにちは。

てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。

 

今日は旧暦1月1日、旧正月そして新月です。

沖縄では旧のお正月も大切な行事です。

特に農業、漁業に携わる人にとって旧暦は欠かせません。

自然と共に生きる感覚を忘れずにいたいと思い、

私たちも弦を張る日を

新月、満月におこなっています。

 

 

今回は「帰るおうち」です。

 

 

「最近気づいたことがある」と

いつになく神妙な顔で

輝幸が言いました。

 

・・・

 

森に生えていた一本の木が、

切り倒され製材されて木材となり、

一枚の板から様々なパーツに

切断したり削ったり磨いたり

様々な工程で

研ぎ澄まされるようにして

楽器は完成に近づきます。

 

作業に熱が入り

夢中になってくると

工房はあっという間に

道具や木くずでいっぱいになります。

 

作業をやりやすくする

治具(じぐ)を思いつくと

すぐに作製。

 

きれいに仕上げるための

刃物、道具を工夫。

 

途中刃物の研ぎは欠かせません。

 

だんだんと

形が見え始めると

次の工程、また次の工程と

違う道具が必要となります。

 

・・・

 

そんな中で

ふと「道具をおうちに返してあげよう」と

思ったのだそうです。

 

なにげなく見た

出しっぱなしの小刀や鉋(かんな)。

忙しいからと作業が終わって

そのままだった道具たち。

 

一つ一つに付いた

木くずを拭き取り、

刃物油を薄く塗り、

さやに収めて、

抽斗(ひきだし)に収めて。

 

その時に「ありがとう、おうちに帰ってゆっくり休んでね」と

声をかけると

とてもやさしい気持ちになったのだそうです。

そして「あぁ今までおうちに帰りたくとも帰れなかったんだな」

とも思ったのだそうです。

 

不思議なことに

これまで片づける時間も惜しんで

少しでも仕事を進めようと思って

頑張っていたのに、

その時よりもすうっと道具が出てきてくれて

仕事がはかどったのだそうです。

 

また、これまで刃物を使うたびに

研ぎから始めていましたが、

片づけることで刃物の劣化が減り、

気持ちよく使えるように

なったのだそうです。

 

帰るおうちがある幸せを世界中のみんなが共有できますように。

 

 

*今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを

 ご購読いただきありがとうございます。

 

 今日も良い日となりますように。

 

私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。

2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、

手加工で竪琴・ライアーをはじめ

心を込めた手作りの楽器をお届けしています。

 

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編集後記

寒い季節ですが、木々は春の訪れを感じ取り

小さな新芽が少しずつ大きくなっています。

沖縄は寒緋桜が咲いています。

工房では楽器仕込みの時期が続いています。

今年も心を込めて楽器を制作していきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

(のり子)